「なぁなぁ！兄貴知ってる！？」

「・・・何が？」


学校からの帰り道、突然そんなことを聞かれた。

主語を言えよ主語を。

としばらく睨んでいると得意気に豪は言った。



「地面に落ちちまう前に桜の花びらを掴まえると願いが叶うんだってさ！」


言いながら舞い散る桜に突進して掴もうとする。


「世界一のレーサーになれますように！」

「だあああああ取れねぇっ！」

「お前なぁ、願い事は掴んでから言うものじゃないのか？」

溜息を吐きながら試しに掴もうとしてみる。
む。意外と難しい・・・。


「どっちでもいいだろー！あーーーーーまた失敗したぁああああああ」

叫びながらも次から次へと挑戦していく豪を眺めながら俺も挑戦する。
桜の花びらって軽いからあんな風に突っ込んでたら舞うと思うんだけどなぁ･･･




「「取った！！」」

しばらく挑戦して声をあげたのは本当に同時だった。

「なんだよー俺のほうが頑張ったのに」

「お前は無駄な動きが多すぎなんだよ」

「ちぇ。で、兄貴は何お願いすんだ？」

「えー・・・そうだなぁ」


何を期待しているのか横で目をキラキラさせて俺が答えるのを待っている。

「内緒。」

「はぁ！？なんだよそれ！！ずっりぃいいいいいい！！！」

「言わないほうが叶いそうだからな」

「バカ兄貴！へっぽこぴー！！」


ポカポカと殴られそうになるのを避けながら
家までの道を走っていく。



『―――ずっと、一緒に走り続けたい

　　　　　　　楽しいこの時間が出来る限り長く続きますように』




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あとがき。

・・・誕生日の祝いの言葉なんかどこにもねぇ！！
なんていうか･･･プロット書いた気分でいます・・・セリフばっかだよっ

桜の花びらをとったら～は結構出回っている話みたいですね。
うちの小学校は「５回連続で」という鬼ルールが追加されておりました。
確か私の最高は２枚連続とかで断念しました・・・無理や。


「ずっとこのままでいたい」
そう思うのは豪より烈のほうかななんてぼんやり思ってます。
兄だから、どうしても先に自分が次に進んでしまう。
止まれるものなら止まりたいけど止まれない。
進みながらも後ろに豪がついてきてるか心配してるといいなとか考えてます。

豪は壁やらなにやら突き破ってでも進んでくるから問題ないんだけどね！

漫画にリメイクできるものならしたいです･･･挿絵とか